こんにちは!!keeです。いよいよすぐそこまで来ているマラソンシーズン。今回はフルマラソンでよく言われる『30㎞』の壁は本当にあるのか?それはどんな壁で、どうすれば登り切れるのか?について話していきたいと思います。
もともと競技としてやっていた人ではない限り、マラソンはまず完走することを目指しますが、完走ができるようになると、次は自己ベスト(PB)やサブ4などタイムの更新の目標にするランナーがほとんどだと思います。
30㎞の壁とは…
そんな中でよく聞く言葉が『30㎞の壁』。それは多くのランナーが30~35kmあたりで失速してしまうことを指します。個人差はありますが、フルマラソンを走るランナーが必ずと言っていいほど一度は感じるこの壁。その原因とは一体何なのでしょうか?
30㎞の壁にぶつかるその原因とは…
原因1『準備不足』
マラソン後半の「30キロの壁」にぶつかる人は、普段のトレーニングの疲労が抜け切れていなかったり、マラソンレースのペース配分を考えていなかったりする準備不足が多く見られる傾向があります。
マラソンレース当日に合わせて疲労を残さないことや、体調管理も大切になってきます。
トレーニングの疲労を残さないためには、3週間前からのテーパリングが理想的です。
マラソンに関しては、最低2週間が必要で、3週間あれば理想的だという見解で一致している。テーパリング期間が短すぎるとレースの日に疲労が残り、逆に長過ぎると体力が落ちてしまう。
マラソンの場合、3週間のテーパリングを適切な計画のもとで行えば、最大限に力を高め、なおかつ十分に回復した状態でレースに臨むことができる。
アドバンスト・マラソントレーニング
レース3日前からはカーボローディングも効果的です。
原因2『走り込みの不足』
30キロの壁の原因を考えた時にはやはり『走り込みの不足』が挙げられます。
だって『走った距離は裏切らない(野口みずき選手の座右の銘)』からです。
初心者ランナーにありがちなのが、自身の体力を過信してしまい、軽くランニングをする程度で大丈夫だろうという感覚から、練習不足のままマラソン大会に出場してしまう。
また、走ること自体は得意で体力にも自信があるけれど、 日々のトレーニングや大会で10キロ~15キロしか走ったことが無い方は、必ずこの壁を感じてしまうでしょう。
42.195キロのも長い距離を、タイムを意識するのであればそれなりのスピードで走らなければいけないのに、短い距離しか繰り返し走っていないのは、明らかな走り込みの不足、そしてスタミナ不足になります。
10キロやハーフマラソンは経験があり、そのタイムを参考に完走タイムの目標をサブ3かサブ3,5としている方も、走り込み不足が原因でこの壁を感じてしまうことでしょう。
トレーニングで週に回数多く走っている方も、一回に走る距離が20キロを超えてこないと、大会に出場した際にこの壁を感じてしまい、結果に結びつく事ができません。
そこで定番となるトレーニングが30㎞走です。
フルマラソンを走るんだから30㎞では足りないのでは?と感じる人もいると思いますが、日常の練習で走るのであれば30km~35kmに留めておくのが無難です。
理由は『疲労と怪我のリスク』『練習の継続が難しい』ということ。
マラソンのトレーニングは、1回や2回良い練習が出来ただけでは大幅な走力アップは臨めません。疲れすぎない、ダメージを受けすぎない練習を継続してこそ、大きな効果を得られるのです。
その定番の30km走ですが、どれ位の頻度・どれほどのペースでトレーニングするのがフルマラソンの終盤に強くなるために効果的なのでしょうか?
イージーペースでのランニングの効果は、ケガに対する耐性をつくる、心筋を強化する、血液の酸素運搬能を改善する、筋繊維をランニングに有利な性質に導く、ということである。
さらに、イージーペースでのランニングの持続時間を増やすと(ランニングの強度が低いと、走行距離や走行時間を増やすのはぐっと楽になる)、走ろうと思えば長い時間走り続けられる、という自信を高めることができるのだ。
ダニエルズのランニング・フォーミュラ
イージーペース(楽なペース)は、最大心拍数の65%~78%、6割から7割くらいの感覚で走るイメージです。GAMINを持っていればあなたの心拍ゾーンを教えてくれます。
まずは月に1回、慣れてきたら2回と、少しずつロング走に取り組んでいけば良いと思います。
怪我と疲労に気を付けながら、諦めずに何度も30km走を重ねていけば、必ずフルマラソンの終盤に強いランナーになれます。
原因3『エネルギー不足による失速』
原因3つ目は、エネルギー不足です。
フルマラソン(42.195km)を完走するために必要なカロリー量は一般的に2500〜3000Kcalと言われています。
それに対し人間の体内に蓄えられるエネルギーには限界値(1500〜2000Kcal)があり、完走に必要なエネルギーが足りないので、そのエネルギーをレース中のエイドや携帯する補給食で補う動きが必要になってきます。
目安として初心者ランナーは1時間ごと、上級者ランナーは10キロごとにエネルギー補給をすることで、マラソン後半の失速を防ぐことが出来ます。
補給してからそれがエネルギーとして使えるまで最低でも30分はかかるので、「30キロの壁」にぶつかりそうな時間帯から逆算して考えてみるのも一つの手になります!
人間の身体が長距離を走る際にエネルギーとして使われるのは主に糖分と脂肪です。使われるエネルギーには順番があり、先に糖分が使われてその後に脂肪が使われます。よく、ダイエット目的で毎日短い距離をランニングしていてなかなか結果が出ない方はこの順番を意識していないからかもしれません。
定番の30㎞走を行う場合には、いわゆる栄養ドリンクやスポーツドリンクの類は飲まないようにしましょう。糖以外のさまざまな成分が入ったドリンク類を飲まないことで、身体は糖を節約することを覚えます。とはいえ、水は時おり補給することとハンガーノックには気を付けましょう。
それによって「レースでは、存分に補給や給水をしながら走れるんだ!」
という余裕と自信が付きます。実際に補給・給水を摂りながら走れる本番は余裕度が高くなります。
原因4『オーバーペースによる失速』
原因その1で紹介した明らかな練習不足に当てはまらず、しっかりと距離をトレーニングでも走っているのに30キロくらいで失速してしまうのは、スタートからのレース運びが悪い事が挙げられます。いわゆる「オーバーペース」でレースを運んでしまっているのが原因です。
大会に出場した場合、数多くのランナーと一緒に走ることになります。先頭集団に自身がいた場合、周りのペースに引っ張られ、本来の自身のペースで走ることが出来ず、結果オーバーペースにつながります。
前半にオーバーペースで走ってしまえば後半にそのツケが来ますので、このタイミングがちょうど30キロ前後と考えられるでしょう。
フルマラソンはレース戦略も重要です。はじめにゴールまでのプランを練り、しっかりそのプラン通りに走ることが、完走やタイムの更新につながります。
プランもなくただただ自分を過信して走っている方は、30kmの壁をより高く大きく感じてしまうことでしょう。
まとめ
『30キロの壁』に悩まされているランナーも、これまでに悔しい思いをしたランナーも、レース前の準備やレース中に意識するポイントをしっかり抑えて対策することで、マラソンレース後半の失速を防ぐことが出来ます!出来るはず…。
自分が出来ることをしっかりやって、『30キロの壁』に悩まされることなくレースを順調に運ぶことで、自身が目指している目標を達成してランナーとしてもう一段階レベルアップしましょう!
昨日の自分をわずかにでも乗り越えていくこと、それがより重要なのだ。長距離走において勝つべき相手がいるとすれば、それは過去の自分自身なのだから。
村上春樹
最後まで読んでいただきありがとうございました。