【7つの習慣】俺なりの第4の習慣『Win-Winを考える』




ここまでの道のりを振り返り、最後に到達したい場所に続く道のりのどこまで進んだのか、どのあたりにいるのかを確かめてみれば、今ここに来るまでは、この道しかなかったことがはっきりとわかるだろう。これ以外の道はないし、近道もない。今のこの地点にパラシュートで舞い降りることはできないのだ。前方に広がる風景を見れば、近道をしようとして無残にも壊れた人間関係の破片が散乱している。自分の内面を成熟させる努力をせず、人格を磨かず、手っ取り早く人間関係を築こうとした人たちの失敗の跡である。

実りある人間関係をそんなに安易に築けるわけがない。一歩一歩進んでいく以外に方法はないのだ。まずは自分に打ち克って『私的成功』していなければ、他者との関係において、『公的成功』を収めることはできない。

私的成功』は、『公的成功』に先立つ。自分を律し、自制することが、他者との良好な関係を築く土台となる。

まずは自分を知り、自分を律し、コントロールできなければ、自分を好きになることはとても難しい。好きになれたとしても、その自尊心は短期間で消えてしまう上辺だけの思い込みにすぎない。自分をコントロールできている人、本当の意味で自立している人だけが、真の自尊心を持つことができるのだ。

人間関係を築くときにもっとも大切なのは、あなたが何を言うか、どう行動するかではなく、

あなたがどういう人間かということだ。

こんにちは!keeです。私のバイブル『7つの習慣』ついに折り返し地点の【第4の習慣】です。【第1の習慣】【第2の習慣】【第3の習慣】無くしては、第4の習慣は学べません。

まだ読んでいない方は先に、【第1の習慣】【第2の習慣】【第3の習慣】で『私的成功』を収めてきてください。

信頼口座

人と人の関係で生まれる信頼を貯えておくことを銀行の口座にたとえて、『信頼口座』と呼ぶことにしよう。それは人間関係における安心感でもある。

たとえば私があなたに対して礼儀正しく接し、親切にし、約束を守れば『信頼口座』の残高が増える。残高が多くなるほど、あなたは私を信頼してくれるから、私は必要なときにいつでも、あなたの信頼を頼ることができる。何か失敗をしても、私に対するあなたの信頼のレベルが高ければ、つまり信頼残高が多ければ、それを引き出して補うこともできる。私の言葉に足らないところがあっても、あなたは私の言いたいことを察してくれるだろう。たった一言で仲たがいする心配はない。『信頼口座』の貯えが多ければ、コミュニケーションは簡単に、すぐに効果的になる。

しかし、私があなたに日頃から無礼をはたらいたり、見下したり、あなたの話の途中で口を挟んだり、あなたの行動に過剰反応して騒ぎ立てたり、無視したり、気まぐれな態度をとったり、あなたの信頼を裏切ったり、おどしたり、あなたの生活を私の意のままにしようとしたりすれば、信頼のレベルは下がる一方であり、そのうち私の『信頼口座』は残高不足になってしまう。そしてあなたとの関係に融通がきかなくなる。

信頼口座』がからっぽの状態は、まるで地雷原を歩くようなものだ。言葉一つに気を遣い、相手の顔色をうかがいながら言葉を選ばなければならない。緊張の連続だ。わが身を守るために裏工作に奔走する。実際、多くの組織が、多くの家族が、多くの夫婦が、こんな状態に陥っているのである。

あなたの息子が今、一生を左右する重大な決断を迫られているとしよう。信頼のレベルが低く、これまであなたと機械的で満足する会話をしたことがないのだから、心を開いてあなたに相談しようと思うわけがない。あなたは大人で知恵も分別もあるのだから、息子の力になれるはずだ。だが残高がマイナスだったら、息子はあなたに相談せず、自分の感情的な狭い視野で短絡的に重大な決断してしまうだろう。そして、その決断が息子の人生に影を落とすことにもなりかねない。

難しい問題を親子の間で話し合うには、口座にたっぷりと残高がなくてはならない。たとえば息子がスケートボードに興味があるなら、その手の雑誌を買って帰るとか、宿題か何かに苦労しているようなら、「手伝ってあげようか」と声をかけてやるとか、映画に誘って、その後で一緒にアイスクリームを食べるのもいいだろう。しかし一番の預け入れは、口を挟まず黙って話を聴いてやることだ。説教したり、自分の若いころの経験を得意がって話して聞かせたりせず、息子の話にひたすら耳を傾け、理解しようとすることだ。おまえのことを大切に思っている、おまえを一人の人間として認めているのだと、態度で伝えるのである。

人間関係において応急処置は幻想にすぎないことを肝に銘じてほしい。人間関係は、築くにも修復するにも、時間がかかる。息子がまるで反応をみせず、感謝の気持ちを微塵も示さないからといって忍耐をなくしたりしたら、それまでに積み立てた信頼を一気に取り崩すことになり、せっかくの努力も水の泡になってしまう。

辛抱強く待つのは簡単なことではない。主体的になり、自分の影響の輪の中で努力するには高い人格が要る。根が土中にしっかりついているかどうか見たいからといって花を引っこ抜くようなまねをせず、相手が成長するのをじっと待たなくてはならない。

信頼口座のパラダイムを理解すれば、人と人とが力を合わせて結果を出す『公的成功』の領域に入っていくことができる。

それでは、『公的成功』に至る習慣を一つずつ見ていくことにしよう。

【第4の習慣】Win-Winを考える

人間関係の六つのパラダイム

  1. Win-Win…『自分も勝ち、相手も勝つ』すべての人間関係において、必ずお互いの利益になる結果を見つけようとする考え方と姿勢。人生を競争の場ではなく、協力の場と考える。
  2. Win-Lose…『自分が勝ち、相手が負ける』私が勝てば、あなたが負ける。ほとんどの人は生まれたときからずっと、勝ち負けの脚本で育っているから、Win-Loseのメンタリティが深く染みついている。自分の価値を内面ではなく外側に求めるようになり、人と比べて勝っていること、誰かの期待に応えられていることが自分の価値になってしまう。
  3. Lose-Win…『自分が負けて、相手が勝つ』Win-Loseとは反対のプログラムが組み込まれているのがLose-Winである。Lose-WinはWin-Loseよりもたちが悪い。Lose-Winを考える人は相手に対して何も主張せず、何も期待せず、何の見通しも持たずに、ただ相手を喜ばせたり、なだめたりすることしか考えていない。人に受け入れられ、好かれることに自分の強みを求める。自分の気持ちや信念をはっきりという勇気がなく、相手の我の強さにすぐに委縮してしまう。負けるとわかっていても『いい人』と思われたいのだ。
  4. Lose-Lose…『自分も負けて、相手も負ける』Win-Loseタイプの人間が角を突き合わせることもある。気が強くて頑固で、我を通そうとする者同士がぶつかると、結果はLose-Loseになる。二人とも負けるのだ。そして二人とも復讐心に燃えることになる。相手を憎むあまり、相手を殺すことは自分も殺すこと、復讐は両刃の剣であることが見えなくなる。
  5. Win…『自分が勝つ』Winタイプの人は、他の誰かが負けることを望んでいるわけではない。他人の勝ち負けはどうでもよく、自分の欲しいものを手に入れることだけが大切なのである。
  6. Win-Win or No Deal…『自分も勝ち相手も勝つ、それが無理なら取引しない』お互いに満足でき、合意できる解決策を見つけられなかったら、Win-Winをさらに一歩進めたパラダイム、Win-Win or No Dealという選択肢がある。No Dealの選択肢があれば、正直にこう話せる。「お互いに満足できるWin-Win以外の結論は出したくないんです。私も勝って、あなたも勝ってほしい。だから、私のやり方を通せても、あなたに不満が残るのは嫌なんです。後々不満が噴き出さないとも限りません。それでは信頼関係が崩れます。逆に、私が我慢して、あなたの思い通りになったとしても、あなたはあなたで後味が悪いでしょう。だからWin-Winの道を探しましょう。一緒に本気で考えましょう。それでも見つからなければ、この話はなしということでどうでしょうか。お互いに納得のいかない決定で我慢するよりは、今回は取引しないほうがいいと思います。また別の機会もあるでしょうから」相互依存で成り立つ社会で人間関係を長く続けようと思ったら、本当のWin-Winに達しないのであれば、ほとんどの場合はNo Dealとしたほうが得策である。

Win-Win or No Dealは、家族同士の関係においても精神的に大きな自由をもたらす。家族でビデオを観ようというとき、全員が楽しめるビデオがどうしても決まらなければ、誰かが我慢してまでビデオを観るよりは、その夜はビデオ鑑賞はせずに(No Deal)、全員で他のことをすればいいのである。

Win-Winを考える

Win-Winを考える」は、人間関係におけるリーダーシップの習慣である。人間だけに授けられた四つの能力(自覚・想像・良心・意志)すべてを発揮して、お互いに学び合い、お互いに影響し合い、お互いに得るところのある人間関係を育てていくための習慣である。

Win-LoseやLose-Winの姿勢のままで、Win-Winの結果に到達することはできない。どうすればWin-Winの解決策までたどり着けるだろうか。私の場合、次の四つのステップを踏むプロセスを勧めている。

  1. 問題を相手の視点に立って眺めてみる。相手のニーズや関心事を当の本人と同程度に、あるいはそれ以上に理解しようとし、言葉にしてみる。
  2. 対処すべき本当の問題点や関心毎(立場ではなく)を見極める。
  3. どんな結果であれば双方が完全に受け入れられるのかを明確にする。
  4. その結果に到達するための方法として新しい選択肢を見つける。

Win-Winの本質はそのプロセスと強い相関関係にあるということだ。つまり、Win-Winのプロセスを踏まなければ、Win-Winのの結果に到達することはできないのである。つまり目標がWin-Winならば、手段もWin-Winでなければならない。

Win-Winの土台となる人格の三つの特徴

誠実』…誠実さとは『自分自身に価値を置くこと』である。自分の価値観を明確にし、その価値観に従って主体的に計画を実行するにつれて私たちは自覚をもって意義ある約束を決意し、守り続ける意志を育てていくことができる。

成熟』…成熟とは、勇気と思いやりのバランスがとれていることである。つまり『相手の考え方や感情に配慮しながら、自分の気持ちや信念を言えること』が成熟である。

豊かさマインド』…私たちのほとんどはこれとは反対の意味の『欠乏マインド』に深く脚本づけられている。パイはたった1個しかなく、誰かがひと切れ食べてしまったら、自分の取り分は減ってしまうという考え方である。欠乏マインドのままでは、手柄を独り占めし、名誉や評判、権力もしくは、利益をサポートしてくれた人とさえ、分かち合おうとしない。だから自分以外の人間の成功は喜べない。同僚や親しい友人、家族の成功さえも素直に祝福できない。誰かが褒められたり、思いがけない利益を得たり、大きな成果を出したりすると、まるで自分が損をしたような気分になるのだ。他者の成功に口では「おめでとう」と言いながら、胸の内は嫉妬に食い尽くされている。周りの人間と比較して自分はどうなのかといつも気にしているから、程度の差こそあれ、他者の成功は自分の失敗を意味するのである。成績表に『A』がつく生徒はたくさんいても、『一番』になれるのは一人しかいないと考えてしまうのだ。それに対して『豊かさマインド』は、内面の奥深くにある自尊心と心の安定から湧き出るものである。この世にはすべてのものが全員に行きわたってもなお余りあるほどたっぷりとある、と考えるパラダイムである。だから、名誉も評判も、利益も、何かを決定するプロセスも、人と分かち合うことができる。こうして可能性、選択、創造力の扉は開かれるのだ。他者の個性、望み、主体性を認めることができる。前向きに人と接することが、自分の成長にとって無限の可能性をもたらすとわかっているからこそ、それまで考えてもいなかった新しい第3の案を生み出せるのだ。

公的成功』は、他者を打ち負かして手にする勝利のことではない。関わった全員のためになる結果に達するように効果的な人間関係を築くこと、それが『公的成功』である。

Win-Winは個性主義の表面的なテクニックではない。人と人との関係を総合的にとらえるパラダイムである。このパラダイムは、『誠実』で『成熟』し、『豊かさマインド』を持った人格から生まれ、信頼に満ちた人間関係の中で育っていく。それは、期待することを明確にし、効果的に管理する実行協定になり、Win-Winを支えるシステムによってさらに力強いパラダイムになっていく。

※パラダイム…特定の時代や分野において支配的な規範となる『物の見方や捉え方』のこと。

そしてこのパラダイムは、次の第5と第6の習慣で詳しく説明するプロセスを経て完成するのである。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回は、俺なりの第5の習慣『まず理解に徹し、そして理解される』でお会いしましょう。




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kee
フルマラソン3:27:43!! ファイナンシャルプランナー&JADPメンタル心理カウンセラー&上級心理カウンセラー! 普段は食品工場で仕事をしています。ランニング大好き、料理大好き、サッカー大好き、キャンプ大好き、お酒大好き、釣り大好き、激辛大好き、読書大好き、書ききれないほどの大好きに囲まれて毎日幸せを実感しています。夢はホノルルマラソンに出ること。 座右の銘『明日死ぬかのように生きよ、永遠に生きるかのように学べ』 このブログは忘れやすい私の備忘録、私の脳の第2領域です。